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バッハのリュート曲 [曲目]

もう30年近く前だが,私がギターを休止する直前,現代ギター社から,名曲演奏の手引きpart III 「バッハリュート作品のすべて」が出ていた。水色の表紙で記憶に残っている人も多いかもしれない。ちなみにヴァイオリン作品はオレンジだった。チェロ作品集が出たころは,ギターを休止していた時期なので持っていない。

肝心のリュート作品集は子供が小さい時に破られてしまい,痛々しい姿となった。編曲譜はスラーが全くないなどの編曲もあり,これも必ずしも実用譜ではないのだが,さらに本誌に原典ファクシミリがついていたのは,大ヒットだった。編曲譜をもとに自家版をつくるにしろ,貴重な資料となったものだ。
BachLute現代ギター.jpgBachVn.jpg
無残な姿のGG編リュート曲集   同じくバイオリン曲集

原典にあたろうとする人が当時どのくらいいたかはわからないが,非常に貴重な資料となったのは確かだ。もっとも,弾くのは編曲譜でという人が多かったのではないだろうか。特にリュートのタブ譜で書かれたものを解読するだけでも大変である。独学時代,持てる時間の多寡はあるにせよ,そう1曲に長時間掛けようという意識は無かった。しかし,実用のみに走らず,きちんと原典にあたるというスタイルを示したことは,正統のクラシックギター普及を標榜する出版社としての矜持を示したものだった。面白いことに,ギターでよく弾かれるBWV998とBWV1006aのバッハのオリジナル手書き譜は,それぞれ別の日本の音楽大学に厳重に所蔵されているようだ。

ここでついでに,バッハのリュート曲の現況を復習しておく。
BWV・調性 曲名(通称)      原譜の状態* ギター譜で多い調性
995・ト短調 リュート組曲第3番 2段譜・タブ譜 イ短調
996・ホ短調 リュート組曲第1番 2段譜 原調        
997・ハ短調 リュート組曲第2番 タブ譜 イ短調
998・変ホ長調 プレリュード・フーガ・アレグロ 2段譜 ニ長調       
999・ハ短調 プレリュード 2段譜 ニ短調
1000・ト短調 フーガ タブ譜 イ短調       
1006a・ホ長調リュート組曲第4番 2段譜 原調        
*写譜を含む

後年やり直してみて,編曲譜でもきびしいところは多々あり,やはり特にこのような曲は,自家版を作る必要がある。阿部版は当時の標準的なものだったろう。後に田部井氏は自身の全曲録音の版をGGから出した。現在では内外でいくつか出ているようで,自家版の作成や運指ぎめの際の参考になる。さらに,リュート曲はやはりオリジナルのリュート楽器で弾くのが正しいという意見がある。もっともな話なのだが,では,1番ホ短調BWV996や4番ホ長調BWV1006aを,リュートで,音楽的に楽しめる演奏というのがどのくらいあるだろうか?

と思っていたところ,昨日も書いたが,年末年始にNHK-FMでかかっていた,コンラート・ユングヘーネルの演奏。まるでギターで弾いているような軽やかな演奏だ。おそらく変則調弦(スコルダトゥーラ)でやっているのだろう。もしそうだとすれば,リュートをギター調弦で弾くというものだ。逆にセルシェルの11弦ギターは,ギターのバロックリュート調弦だ。2番や3番,ほかのリュート曲に多いフラット系の曲は,これがあう。何もリュートのギター調弦は良くて,ギターのリュート調弦はダメとの理屈は無かろう。ついでに,ギターのギター調弦でバッハのリュート曲を弾いても,それはそれで良しとしてもらおう。

バッハ阿部.jpgバッハ田部井.jpgBachLuteWillard.jpg
阿部全音版              田部井GG版          参考のため入手したWillard版

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