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魔笛の主題による変奏曲・再考(第5変奏) [曲目]

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今回は第5変奏です。

切れ味鋭い第4変奏の次は流麗な第5変奏です。最終変奏です

テーマの付点動機が戻ってきます。テーマをなぞるかの様な動きを見せますが,3連符の細かな伴奏を伴いながら自在に駆け回ります。前半・後半共にそれぞれの前半はスラーを伴いながらテーマの冒頭を再現した様な動きで,後半はアルペジオで,ギターの得意な技巧を見せます。

バスは最後に一発入るだけで,音自体は薄いのですが,細かなスラー,アルペジオを駆使して走り回ります。スラーは前半後半共に最初の4小節には入りますが,次の4小節につながる箇所3か所にも入れたいところです。あと,最終小節のG#-Eにも入れた方がスピードが出るでしょうか。第1変奏のスラーの入りかたは不思議なものでしたが,この第5変奏のスラーの入りかたを見ると,ここは必ず入れてヨ(さもないと弾けません)という箇所と,「必要に応じて入れてもいいヨ」という箇所があるような感じに思えてきました。
譜例1.第5変奏前半
開放弦にかかるスラーですから,弾き易くは出来ているのですが,その代わりに,よくコントロールしないと,スラーした開放弦が大きく鳴り響いたり,きたない音になったりします。そこは,左手で弾いている感覚でしょうか。普通は弾いているのは右手なわけですが,この変奏のスラー部に限っては左手主体で弾いているイメージです。もちろん,アルペジオ部分は右手主体にスイッチしますが。

ソルは指頭弾弦だったわけですが,普通に右手で弾くのと,左手で下降スラーする音の差も少なかったものと思われます。ここで用いられるスラー奏法はいわば,左右の連携プレイで出しているといったものです。

4小節目から5小節目にかかる付点部分をスムーズに移動させるのはなかなか難物です。①②弦のままでアルペジオに繋ぐには練習曲のOp.6-6の3度の移動の様に行けばいいのかもしれませんが,ここだけ突然うまく滑らせるのはなかなか難しいです。そこで,ここの付点部を①②弦上を滑らしてアルペジオに繋ぐのではなく,②③弦でとって①②弦に繋ぐ方が付点音符ははっきり出ますし,フレーズの切れ目とも一致します。あと,指の準備をしておくことが,ぎくしゃくした演奏にならないコツだと思います。

繰り返し2回目で,コーダに突入します(つづく)。
譜例2.第5変奏後半からコーダへ

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アヨアン・イゴカー

このような装飾的な変奏は色々な作曲家によって書かれていると思いますが、とても美しいです。
シューベルトの『菩提樹』の伴奏なども大好きですが、それだけに、一つずつの音が正確に明瞭に聞こえないといけないので、なかなかむつかしいのではないでしょうか。
by アヨアン・イゴカー (2017-03-04 14:19) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,ご訪問・コメントありがとうございます。
シューベルトの伴奏には魅力的なものがありますが,ピアノでは案外弾きにくいものです。どうも彼はギターを使って作曲したからのようです。
ソルのこの変奏は,ギターの技巧的スラーとトレモロ風のアルペジオを使っており独特なものだと思います。他の楽器ではやりにくい芸当だと思います。
by Enrique (2017-03-05 06:27) 

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