So-net無料ブログ作成
検索選択

ソル再開〜Op.29-22〜 [演奏]

EnriqueImage.png
この曲はセゴビアNo.18相当です。

フラット3つ。変ホ長調です。半音上げるか下げるかすれば,ホ長調かニ長調になるので,いずれも弾きやすい調ですが,その真ん中の変ホ長調。弾けない調ではないものの,かなり弾きにくい調です。

ソルの練習曲Op29-22*冒頭。音を拾うだけでも時間が掛かります。
譜読みが大変ですし,スムーズな運指になるにはかなりの練習が必要です。できれば避けたい曲ですが,Sorが敢えてギターの苦手な調での多声練習曲を拵えたこと,Segovia選の20曲にも採録された事から見て古今の巨匠達もこの練習が必要なものと見たのでしょう。変ホ長調の音階では,開放弦が使えるのは③弦と④弦しかありません。ギターをよく知る達人だから書けた曲かもしれません。

英語読み,もしくはコードネームで言うと,E♭メジャーです。
コードパターンを押さえるだけでも大変ですが,これで3声4声を動かすわけです。これまでの演奏技術を総動員させないといけません。特に脱力した左手の押弦技術,音がぶつぶつにならない様左右のシンクロなどが重要だと思います。

ギターを知らない人から見たら,譜ズラもさほど難しそうに見えませんが,経験者でも初心者レベルの演奏になってしまいます。鍵盤の人から見たら,難しさの理由がわからないようで,ウチのカミさん,私が四苦八苦練習しているのを聞いて,「まあなんてヘタクソな演奏?」,「なぜ,そんなところでつっかえるの?」とか,のたまわっていました。私もこのごろ人間が出来て来ましたので,(腹の中の怒りを)笑いでごまかしながら,「これはギターでは超難しいのよ。」といいながら練習を続けます。ギターは#系のオープンコードを掻き鳴らすのは容易でも,♭系の調で多声音楽をやるのは上級課題です。何なら,ギターで簡単なEメジャーのオープンコードのラスゲアードなどをピアノで再現してみてくださいと言いたくなります。

それはそうと,この課題を克服するには,練習以前に適切な運指付けがポイントでしょう。いくつか考えられると思いますが,なるべく無理の無い自分に合ったものを見つけないといけません。音を出すだけでも精一杯です。完成度よりもセゴビア版収録曲20曲の修了(終了)を目指します。この曲はソルの練習曲の中でも最難曲の部類だと思います。

以下私の録音です。

*ソルのエチュードOp.29は,12曲からなり,譜例の表示では本曲は10番ですが,Op.6の12曲が練習曲第1巻,Op.29の12曲が第2巻として前巻の続きだとして,Op29-13〜24とするのが通例です。そのため本曲はOp29-22となります。
nice!(10)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 10

コメント 4

アヨアン・イゴカー

曲だけ聞けば、難曲には聞こえませんが、開放弦を使わないで弾く箇所が多いと言うのであれば、難しいと思います。いつになく苦戦しておいでの様子がわかるので、難しい曲であることが分かります。

ところで、セーハで押さえる時、音が歪んだりでなくなってしまいますが、よい何か練習方法はございますか?
by アヨアン・イゴカー (2017-05-04 22:02) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,特に持続するベース音や連打に開放弦が使えないこと,3声4声の連続をスムーズに繋げるのは至難です。
この曲もそうなのですが,開放弦が使えないとなるとセーハが多くなります。
セーハは使われ方にも依りますが中級以降の技術課題です。
カポタストの様に真っ直ぐぴったり押えろというのがかつての指導法でしたので,私もそういう癖が抜け切れません。しかしそれでは,手の握力に頼る挟み込む押弦になってしまいます。必要の無い所に力が行って,押弦すべき弦に押弦力が回りません。
クローズドフォームにして,必要な弦のみ1指の親指側側面で押さえるのが正解です。かつ極力手の重みを使います。親指を浮かしても音が出るかどうかでチェックできます。
具体的には,Fコード(FCFACF)フォームであれば,1指で1フレットをべたっと押さえるのではなく,⑥弦のFが1指の頭側面,②弦と①弦のみ1指の根元(の親指側)で同時押弦という感覚です。1指は曲がり,必要の無い⑤④③弦部に押弦力は入れません。何分,指はカポタストではありませんので,骨でゴツゴツしています。そのゴツゴツと,必要な弦の同時押弦とがうまくハマればOKです。最初は音を出そうと,「これでもか」と頑張ってしまいますが,冷静に見ると必要の無い所にばかり力が行っているものです。
B♭コードならば,より1指は湾曲すると思います。大セーハでもネコの重さ程度あれば十分押弦できるはずです。1指側面での押弦は少々違和感があり痛く感じるかもしれませんが,軽い力で確実に押弦できます。
親指の位置もチェックポイントです。1指の裏側に行きがちですが,確実に2指の裏側に置かないといけません。
その上で,6本の弦が同時に弾かれることは無いので,弾く音にのみ腕の重みが行く感覚も使います。
楽器の調整も重要です。楽器が古く弦高が高くなっていると,特にハイポジションで音は出にくくなります。
以上がうまく揃えば楽に発音する様になるはずです。
by Enrique (2017-05-05 05:31) 

アヨアン・イゴカー

Enrique様
詳しい解説ありがとうございました。
早速、試してみます。
練習曲を殆どをすっ飛ばして『愛のロマンス』を少しずつ練習しているのですが、9小節目のセーハで音が思うように出ないのでご相談しました。
教則本の最後の方の曲を少し見てから、前半部分の練習曲をやってみると、その合理性がよく理解できます^^;
by アヨアン・イゴカー (2017-05-05 08:38) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん, 「愛のロマンス」は誰もが弾きたくなる名曲ですが,言われるほど易しくはありません。特に後半は圧倒的にセーハの連続ですから,素人できちんと弾いているのを聞いたことがありません。
前半なら行けると思います。9小節目の7フレット・セーハで音が必要なのは,やはり,⑥弦と②弦と①弦のみですので,この3音がきちんと出るのを確認でしょうか(③弦は2で押弦ですね)。⑤④弦は使わないですから,プツプツで構わないわけです。
10小節目のメロディのDisもきびしいですね。腕の重みで押さえていないと,4指の拡張で,セーハが崩れてしまいますので。
by Enrique (2017-05-05 08:51) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0