So-net無料ブログ作成

「禁じられた遊び」の弾き方〜その第三歩〜 [演奏技術]

EnriqueImage.png
「禁じられた遊び」の弾き方を超具体的に見ています。今回は前半部分の仕上げに行きたいと思います。

愛のロマンス(禁じられた遊び)前半部分(ルビーラ版)
前回はこの曲の前半部分について,右手のアルペジオの練習だけをやって見ました。これが出来ましたでしょうか?前回の右手のエクササイズも前々回の左手主体のメロディラインおよびベースラインの動きもすっかりOKでしたら,いよいよ前半の仕上げに入ります。今までの練習を組み合わせるわけですが,7,8小節は小セーハで③弦までを押さえます。ベースが⑤弦開放に変わっています。和音が変わるわけです。

【脱線話】ギターは多声を出せます。コード奏法の様に決まった和音をジャンと鳴らすのは極めて楽ですが,それぞれの音をコントロールしつつ繋げるのが練習どころです。コード奏法であってもコードチェンジ部が難しいので,音の出切らない遷移部分はごまかす方法があるのだそうですが,クラシカル奏法ではできる限り音を持続連結させないといけません。多声を同時に且つ連結するというのは難しいので,バラバラに弾けない状態で,いきなり取り組んでも大変なので,練習をバラしてみました。
スポーツはあまり得意ではありませんが,学生時代テニスを少しやりました。下手は下手なりに楽しめますが,サービスの練習は少し必要です。トスを高々と上げて,空振りしている練習を何十回も繰り返している人を見ました。いきなりファーストサービスの練習をしているのです。その後出来る様になったかかどうか分かりませんが,最初は下手打ちの練習からでも段階的にやれば上手くなるのにと思ったものでした。天才的センスなら一遍に出来てしまうのかも知れませんが,一足飛びにやろうとして却って遠回りしてしまうとか,運よく出来ても肝心のところは誤魔化したまま次のステップに進んで伸び悩むということはあるものだと感じたものでした。しかしながら,やりたいことが目の前にあると,そこに着実に行こうという姿勢は実際かなり忍耐のいるものです【脱線復旧】。

つづく9小節目と10小節目は,第1回目のメロディ(とベース)練習の時,7フレットセーハは①弦と⑥弦さえ押さえられれば良いと書きましたが,今回は②弦部分も押さえられないといけません。③弦は8フレットを2指で押さえますので,そこには1指の腹で押さえる必要はありません。④弦⑤弦も触れてはいますが押さえません(押さえない方が手の力が抜けて良いのですが慣れないと却って難しいかもしれませんが)。都合①②⑥が1指のセーハ,③が2指で普通に押さえているということです。1指のアタマで⑥弦を捉え,根元で①②弦を捉え,2指で③弦を捉えていることが手の感触でしっかり感じ取れることが重要かと思います。そうなれば,その部分にのみ意識と腕の重みが配分されるはずです。往往にしてあるのが,しっかり音を出そうと1指をべたっとカポタストの様に押し付ける力技で演奏を困難にしてしまうことです。

そしてアルペジオを弾きながら,最初の課題でやったメロディを弾きます。10小節目1拍目のD#音がキビシイのではないかと思います。9小節,10小節が前半部分の難所です。ここは如何にセーハに腕の重みをかけながら,他の指が脱力してメロディの方に意識が行くかどうかがポイントだと思います。セーハの方に意識が言ってしまうと,メロディの方がギクシャクしてしまいます。セーハの方は殆ど無意識に腕の重さを掛けておき,メロディの方に意識を持っていかないといけません。D#音を弾く為に小指をのばすのは結構キビしく感じるかもしれませんが,予め4指を伸ばした状態で力まない様にセーハを調整しておけば,ここは殆ど力まずクリアできるはずです。その上で私の場合9フレット目あたりに3指を軽く置いておけばより楽になりますが,人によって手も異なるので,なるべく力まないポイントを見つけることが肝要です。セーハしている手は多少は動いても構わないと思いますが,予め動かない様なフォームにしておく方が良さそうです。①②と⑥弦が押えられてさえいれば良いわけです。弾く瞬間には音はビレやすいのですがその後多少押弦力が抜けても案外音は途切れません(その弦を弾く瞬間にのみ押さえている左手に意識が行っていれば良いのですが初級の方には難しいでしょう)。くれぐれも必要のない④⑤弦まで力を使わないことです。

セーハは中級以降の技術なので初心者には難しいですが,①から⑥弦までガバッとやる大セーハの場合でも,6本の弦を全部使うことはまずありません。ボローンとフルコードで弾き下ろす場合でも,2,3本の弦は他の指で押えますから,1指の担当は6本の弦を均等に押えることではなく,弾弦される弦のみ真面目に押さえれば良いわけです。この意識だけでもセーハに要する力を半減させられると思います。もし,「力一杯押えても音が出ないのに,力を抜いて出るわけが無い。」と感じられるとすれば,「力一杯押える必要があるということは,押弦に関係無いところに力が行っている。」ということなのです。セーハが少ない曲であれば,力一杯でもなんとかなりますが。ただ,楽器の調整が悪い場合は上級者でも音が出損ないます。初心者には見極めが難しいところですが,弦高(弦の下端とフレット頂上とのギャップ)が12フレット①弦で3mm以内,同⑥弦で4mm以内であれば大丈夫と思います。

左手はセーハに限らずなのですが,握力で押えるのでは無く,腕の重みを使います。セーハのコツは,1指をピンとさせるのでは無く,ゆるくアーチ状にして軽く固め,親指側の側面で押えることだろうと思います。親指を離しても音が出ることがチェック法になります。もう一つは,指は骨でゴツゴツしているので,上でも書きましたが,カポタストのように無機的にペタッと押えることは出来ません。できれば①指のどの辺りで何弦を押えているかの感覚があればなお良いでしょう。

9小節,10小節さえ上手くいけば,少なくとも前半のフル演奏はOKでしょう。

どうしても上手くいかない場合は,多少のオプションがあります。
もし5フレットの小セーハから7フレットの大セーハへの移行が困難な場合は,7,8小節の和音を5フレットの大セーハにしてしまう手があります。ベースのA音を⑤弦開放で取らず,⑥弦5フレットで取るわけです。この大セーハができれば,そのまま2フレット移動させるだけで,7フレットの大セーハに移行できます。却ってキツイかもしれませんが。
ゆっくりやれば出来るけども,ナチュラルスピードでの大セーハへの移行が難しいという場合は,前の3拍めから大セーハへの移行を,ゆっくりと力を抜いて行う部分練習が効果的でしょう。
nice!(12)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 12

コメント 6

アヨアン・イゴカー

弾く弦を時々間違(=隣の弦を弾いてしまう)えます。これが結構、問題ですが、指使いの練習をおろそかにしてしまう癖があるためだと思います。
アルペジオの練習の絶対量が不足していると感じています。1つの練習曲も1000回位は弾かなければと、漠然と思います。

7、8小節目のセーハは、大体何とかなりそうです。
が、9、10小節のセーハは、たまに音が出る程度です。

>ゆるくアーチ状にして軽く固め,親指側の側面で押えること
これは、いろいろと形を試してみて、実際にこの通りだと思いました。力をいれずに同時にしっかりと指を弦に接触させるためには、指の側面を使う以外にないからです。とはいうものの、明瞭な正確な音がなかなか出ません。もう暫く練習が必要だと思います。

>10小節目1拍目のD#音が
この音は全く問題なく出すことができます。

より明瞭な音を出そうと思って、弦を大きく引っ張って弾くと、隣の弦に当り雑音が出ますが、これは回避できるのでしょうか。それとも、そのような大きな音を出そうとすることをギターではしてはならないことなのでしょうか。バイオリンでは大きな音を出そうと思えば、弓を大きく使えば(摩擦(=接触)している面積と時間を増やせば)よいのですが。


by アヨアン・イゴカー (2017-05-29 23:28) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,熱心に連取されている様子が伝わってます。
右手で弦をはじくという行為は結構難しいのだと思います。imaが①②③にしっかり対応して外さないことだと思います。ホームポジションです。pは④⑤⑥担当です。こでが基礎です。この状態で,いろんな取り合わせのアルペジオができれば良いと思います。
右手のタッチは弦を押し込んで弾くことが必要です。隣の弦に当たるというのは強烈なタッチですが,上から下に弾き落とすとバチンと指板に当たります。斜め下に押し込んで離すと当たることはないはずです。
左手に関しては,やはりセーハのバランスです。10小節目1拍目のD#音がでる状態で,手がきつくなく伴奏部もしっかり出るようになる事がポイントでしょう。D#を押さえた状態で,和音が全て出ているでしょうか。

by Enrique (2017-05-30 07:23) 

EAST

Enriqueさん

そろそろこの曲にチャレンジしてみようかと思っていましたので、一連の記事は私にとってもちょうど良いタイミングでした。ありがとうございます。

セーハはなかなか腕の重みが指から弦にうまく効率的に伝わらないので苦労しています。試しに右腕をセーハで押さえてみると結構右腕に圧力を感じるのですが、指版を押さえるとどうも上手くいきません。

ところで左手薬指で弾くメロディーは、アポやンドでしょうか、アルアイレでしょうか。

この曲は映画音楽として、イエペスの演奏が一番慣れ親しんだものですが、以前NHKの番組で大萩康司さんの演奏を聴いて、こう演奏もあるのかと思ったことがあります。

by EAST (2017-06-01 12:39) 

Enrique

EASTさん,この曲未チャレンジでしたか。
セーハに限らずですが,押弦に腕の重みを掛けるためには,手を固めないといけません。何処かでくにゃっとなっては,手の重みが指先に伝わりません。実はこれは左手だけではなく右手についても言える事です。脱力状態で固めると手の重みが掛かります。
私はかつては,aのメロディをすべてアポヤンドで弾いていましたが,右手のフォームが崩れるとか,力みが入るとかの問題があるので,現代奏法では押し込んで振り切るタイプのアルアイレで弾きます。勿論ポイントにアポヤンドを入れても構いませんが,かつてのアポヤンドの音が出ればOKです。現在では「メロディはアポヤンドで弾かなければいけない」というドグマはありません。
イエペスの演奏が標準の様になっていましたが,もともと練習曲ですし,その様に弾かなければならないというしばりも無いと思います。
by Enrique (2017-06-01 14:54) 

EAST

Enriqueさん

ご助言ありがとうございます。

セーハは「脱力状態で固める」ですか。難しそうですね。
練習してみます。


by EAST (2017-06-01 17:18) 

Enrique

EASTさん、エラソーな事を書いてしまいましたが、私も修行中です。
脱力は、ある日、「こんな事だったか」と気がつかれるのではないかとおもいます。
by Enrique (2017-06-01 21:41) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0