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「禁じられた遊び」の弾き方〜その第四歩〜 [演奏技術]

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「禁じられた遊び」の弾き方を超具体的に見ています。今回は後半部分も見て行きたいと思います。

はっきり言って,後半部は中級者が取り組むタレガの小品のラグリマやアデリータなどよりも音が多く難しいと思います。ただパターンが単純な為,弾けるような気がする訳です。もちろん暗譜は楽で容易に手で覚えられますから,曲がりなりにも最後までは行けるとは思います。

初級の方は,前半だけでもきちんと弾けるようにするのも一つの方法かと思います。ピアノ弾く人だったら,このくらいの楽譜何とかしたいと思うでしょうが,これがもしヴァイオリンだったらどうでしょうか。これを独奏でベースや伴奏も入れながら弾くとなると超絶技巧です。ギターの機能を上手く活かして弾き易くできている曲だと言っても,それなりのギター独特のテクニックも要求されると言う事です。

その上で,やはりいきなり弾くよりも,前半部でやったようにメロディ(とベース)だけ弾いてみる事をお勧めします。今回は前回と少し趣向を変えて,アルペジオのみ外してみました。右手のアルペジオのみ弾かず,和音はフル演奏用のものをしっかりと押さえます。一拍目でボーンと和音を全部鳴らしてみて,小節内できちんと鳴っているかどうかをチェックします。これに寄って左手の押さえの確実性がはっきりと分かると思います。

誰が言ったか知りませんが,左手は労働者,右手は芸術家だそうです。
もちろん,左手もビブラートを掛けたりスラーをはじいたりの演奏行為の補助もしますが,「どちらかと言うと」という事でしょう。その上で左手の労働に全精力が行ってしまうと,芸術行為が出来ません。何分一人二役ですから,左手を酷使せず楽にさせ,右手の芸術に意識が行く事が肝要です。

愛のロマンス(禁じられた遊び)全編・アルペジオ省略版

https://www.dropbox.com/s/r16qmbzhl46uetz/RomanceDeAmorWOArp.png?dl=0 後半部分を細かく見ていきます。17小節目からホ長調(Eメジャー)でGに♯が付きますので,①弦4フレットを4指で③弦1フレットを1指での押さえとなりますので,左手が少しきつくなります。くれぐれも力まない事です。指を広げることに力むと弦を押さえる方に意識と腕の重みが行きません。極力クローズド・フォームにして,しっかりと1指と4指に腕の重みが掛かっている事が肝要です。チェックは親指を離しても大丈夫かどうかです。18小節目から19小節目への移行は結構大変です。弦が変わるのですが音は変わらず,メロディを途切れさせないように弾かないといけません。

20小節目から21小節目の移行は,2フレットセーハから7フレットセーハへの移行で恐らくこの曲の最大の難所ではないかと思いますが,幸いここはブレスです。左手の移動時間で間が開くのはむしろ自然でしょう。ここを全くブレス無しに弾くのは上級者でも困難ですが,その必要はないでしょう。つづく7フレットセーハは前半の7フレットセーハと同程度かそれ以上の難しさです。続く22小節目から23小節目への移行は,セーハの解消です。23小節目は久々のセーハ無しで弾けるところですが,一難去ってまた一難。24小節目3拍目の4指の押さえは,ちょっとのけぞらないといけないので大変です。ここの3拍目から9フレットの小セーハにする運指もある様ですが,次の25小節目への移行がブレスですから,ここで9フレットセーハに持ち替えるのが順当な運指だと思います。

ブレスで9フレットセーハに持ち替えて2小節,5フレットセーハで2小節,2フレットセーハで2小節で,やれやれ後半終了です。ラクなところが殆どありません。後半部分,ブレス以外で音を途切れさせずにきれいに弾くのはかなり大変です。少なくともアルペジオを入れなければさほど困難でないスムーズさにまで持ち込まないといけません。

この譜面で左手の押さえがしっかり出来ている事を確認の後,アルペジオを入れても遅くは無いと思います。これがきちんと弾ければ,完奏まで8割9割は行っている筈です。左手の押さえは直ぐに覚えてしまうと思いますが,暗譜してしまうのも,脱力してラクに弾くために有益だと思いますのでそれはそれでいいと思います。
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アヨアン・イゴカー

労働者はしっかり働いてくれませんし、芸術家は隣の弦に浮気するので、困っています。

どの部分でも、滑らかに移行するのが全くできません。また、セーハの方も音がしっかりと出るようにならず、苦戦しています。
まだまだ、隣の弦を弾いてしまったり、大きな音、澄んだ音が出せない状態です。練習時間が解決してくれるものと思っています。

by アヨアン・イゴカー (2017-06-04 16:25) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,楽器の安定と合理的なフォームが基本で,その上で左右の手の安定が肝要かと思います。
チェック法としては,
楽器の保持状態:左右の手を添えないで,楽器が落ちないか。これが実現していないとエンドピン立てないでチェロを演奏する様で不安定です。
左手:親指を離してもしっかり押さえられるかどうか。例えば,6小節目までは親指を浮かして演奏できるかどうか。
右手:何も押さえないで最後の和音は均等に音が出るでしょうか。
以上を十分確かめてから,実際の演奏に入るのが合理的と思います。
by Enrique (2017-06-05 06:53) 

アヨアン・イゴカー

ご説明有難うございます。

>左右の手を添えないで,楽器が落ちないか
これは、ギターの胴を右肘で支えるということでしょうか。

>6小節目までは親指を浮かして演奏できるかどうか。
大丈夫そうな気がしますが、確認してみます。

>均等に音が出るでしょうか
これは、とても難しいです。指ごとに強弱が付いてしまうと思います。

ご教示いただいた点、確認しながら練習するようにします。

有難うございます。
by アヨアン・イゴカー (2017-06-05 23:02) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,構えに関しては,
左右の手は一切触れずに両足と胸の3点支持のみでバランス取れるかということです。これは最初は結構難しいです。此のように構えていない方も多いですが,現代の奏法の基本です。
楽器のバランスを取った上で,左右の手を添えます。左手を添えますと手の重みでネックが体側に来ますから,そうならないよう右肘で胴を押し込んでバランスをとります。
順番は,①楽器のみでバランス,②左右の手の重さでバランスということになります。安定した構えがまず基本です。

左手の親指浮かしは,左手の重みが押弦にかかっているかどうかのチェックです。セーハでもできると完全ですが,当初は難しいと思います。

右指のコントロールに関してですが,同時に均等に鳴らすのが基本です。単音を弾いたようになると良いです。ガシャガシャとなる場合は,まずそれが出来てからアルペジオに移行した方が良いように思います。もちろん,それなりのアルペジオはできると思いますが。
by Enrique (2017-06-06 06:56) 

Ujiki.oO

ご査収願います。 https://www.flickr.com/photos/120798093@N05/34762950324
by Ujiki.oO (2017-06-29 16:35) 

Enrique

Ujiki.oOさん,ありがとうございます。やはり時間ズレがあるようですので,補正後公開します。
by Enrique (2017-07-02 15:40) 

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