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最急降下曲線と演奏動作 [雑感]

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二点間の最短は直線だと教わります。

しかし,それは図形的な距離であって,直線をたどったら物理的なものが全て最短時間で到達できるわけではありません。その最も基本的な例が,最急降下曲線です。

ある落差を持った2点間に球を転がす際,最も早く到達するのは斜面が直線の場合ではなくてサイクロイド曲線というものになります。計算すれば出ますが,直感的にいえば,動き出しは加速しませんから傾斜をつけてやり動き終わりはスピードが出ていますから緩やかにする事に相当します。落差によっては逆勾配を登らせても速くなります。

殆どの家の屋根は直線の傾斜がついていますが,天辺と軒の落差が同じなら,お寺の屋根の様にえぐれた曲線の方がモノは早く落ちます。距離は伸びるのにです。ただ雨水の様に粘性抵抗の強いものはほぼ一定速度で流れるとすると,ほぼ直線で良いとは思います(雨量によって変わるでしょうが)。

最急降下曲線は重力下での最短のものの動きかたなわけですが,スムーズな動作は曲線になるという事の一つの例でしょう。

昔のロボットの様なカクカクとした動きは,最高の瞬間速度は速いのに,ブレーキがかかっている時間が長いせいで,スムーズな動作になりません。動作が直線的であった事と無縁ではなさそうです。

以前も永字八法による筆の動き茶道のお点前における動作について触れました。
ギター演奏での手の動きをスムーズにするためにも,直線的なカクカクとした動きは避けなければならないと思うわけです。如何に急激に動かしても,急ブレーキを掛けてそれから弾弦に移れる状態に準備しないといけません。素早く弾弦動作に入るためには,最高速度を上げることはあまり意味がなく,如何に停止時間を減らすかが重要です。結果として優雅な曲線的動作になるものと思います。
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アヨアン・イゴカー

大変興味深く拝読しました。
>素早く弾弦動作に入るためには,最高速度を上げることはあまり意味がなく,如何に停止時間を減らすかが重要
甲野善紀という古武道家がいますが、ジャイアンツの桑田投手の身体の使い方を指導したことがある、ということをTVの特集番組かなにかで随分前に観たことがあります。バッターが打って自分の前に転がってきたゴロをいかに捕球して、最適のベースに投げてアウトにするか。そのためには、二つの動きを同時に行うことだ(捕球しながら投球する=防御しながら攻撃をしている)、という説明がありました。決して、捕球の速度を上げることではなく、効率の好い身体の使い方をする(=大幅な時間の短縮)か、ということが説かれていたと思います。

by アヨアン・イゴカー (2017-11-28 23:49) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,コメントありがとうございます。
バルエコという人は現代のギターの奏法に革命をもたらしましたが,古武道の身体の使い方を取り入れたとの事です。
確かに,ポジションの離れた音をスムーズに弾くには,「移動しながら弾く」という手があります。「移動してから弾く」と,急激な動作になり,ブレーキを掛けるのが大変で,却って弾くまでに時間が掛かってしまいます。
by Enrique (2017-11-29 06:49) 

黒板六郎

バルエコに古武道?知りませんでした。
移動しながら弾くというのは難しいでしょうね。ただイメージすることでも違うと思います。
やってみなはれ。ですね。
by 黒板六郎 (2017-11-30 21:37) 

Enrique

黒板六郎さん,
移動しながら弾くというのはそんなに難しくないですよ。
「移動しながら」というのは語弊がありますが,移動して止まった瞬間に弾弦動作が出来れば良いので,何の事ないです。すぐ出来ると思います。
by Enrique (2017-11-30 21:54) 

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