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楽器の調整について [演奏技術]

危ない話はもう止めようと思いますが,「良く切れる刃物はケガをしにくい」と言います。昔から良く言われます。逆説的に感じられる方もいるかもしれませんが。

良く切れる刃物は,力を入れないで切る事が出来ます。力を入れなければ,手元がくるう事も少ない。だから,ケガをしにくいわけです。ここでは刃物の話をするわけではなくて,楽器の演奏に関してですが,
良く切れる=良く音が出る(弾きやすい)
と考えて,
ケガ=ミス
と置き換えてみれば,演奏に関してもそのことは言えるでしょう。

良く音が出る(弾きやすい)楽器はミスが少ないということになります。というのは余分な力を入れなくて済むわけですから,当たり前のことです。但し,軽いアクションの楽器が必ずしも弾きやすくてミスが少ないかと言ったら別問題です。ピアノ曲をアクションの軽いチェンバロで弾いたらラクかと言うと,これは全く逆で,極めて弾きにくいようです。クラシックギターの曲をエレキギターで弾き易いか?これも全く別モノです。弾けないこともないですが,タッチは何とも心許ないものです。

楽器のアクションに合わせて曲が作られていて,それに合わせて奏法も発展していますので,アクションの軽いものを使ったら必ずしもラクと言うワケでもありません。



とはいうものの,切れる刃物の例に漏れず,私は楽器はなるべく良く調整して使っています。塗装とかキズとかは全く気にしませんが,特にブリッジとナットによる弦高の調整は,慎重にやります。若い頃は絶対的な力や柔軟性もあったはずですので,多少のムリも利いたかもしれません。実際,フレットから弦が外れる様な広い弦幅のナット,高い弦高のブリッジで弾いていました。実際ナットは広すぎた(44mmくらいありました)のですが,当時買った楽器屋に持って行って,弾きにくいと訴えても,それはアナタの練習が足りないんだと言われたものでした。

ブリッジ側の弦高に関しては,もっと悲惨で,新しい楽器はどんどんどんどんブリッジが盛り上がって来ますから,新品時適正に弦高調整がされていても,弦高もどんどんどんどん上がって来ます。

ナットもブリッジバーも今は自分で作ります。製作家に作ってもらうと,かなりマージンを見るようで,高すぎるからです。材質は象牙が最高で,加工も柔らかくて簡単ですが,お高いのと密猟問題がありますので,牛骨を使っています。

弦幅にしろ,弦高にしろ標準値があり,ほぼその値にしていますが,それからわずかに狭めたり下げたりはしています。弦高に関しては,楽器の特性にも因るため,どこまで下げられるかはチャレンジです。

使用楽器の各数値
各部分寸法[mm]
弦幅(ナット上で弦の中心値)41.5
弦高(1フレット上) 測定不可
弦高(12フレット上,①弦) 2.8
弦高(12フレット上,⑥弦) 3.8
私が今使っている楽器の数値は,右記の通りです。
よく,この楽器は張りが強いとか弱いとか言いますが,先ずは弦高が弾きやすさを決めます。特にナット側の弦高は0.1mm(コピー用紙1枚分の厚み)違っても結構違います。ローフレット側の弦高を測るにはシックネス・ゲージが要ります。コピー用紙に,テレカ(0.28mm),クレカ(0.4mm)などを組み合わせて大体は知る事が出来ると思いますが,要は「ビビらない程度になるべく低く」です。以下で,私の楽器の各部を拡大して見る事が出来ます。拡大するとキタナイですが(汗)。

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アヨアン・イゴカー

切れる刃物の方が怪我が少ない、と言うのは正しいと思います。
切れる刃物の場合は、いい加減に扱うと自分自身を切ってしまう危険が大きいので、注意して使うことも怪我が少なくなる理由だと思います。
記事に書かれている様に、楽器についても全く同様だと思います。私は最初アップライトピアノでしたが、劇団時代、公演で埼玉県にある会館に置いてあるスタインウェイをこっそり弾いて見て、低音の安定した太い音の響き、高音の輝かしさを知り衝撃を受けました。同じピアノでも、こんなに音色が異なるものかと。
好い楽器の場合には、それなりの腕がないと、農耕馬として使われている千里の馬のようになってしまいます。女房殿が高い楽器がいいと言うのですが、私はそれに見合う腕がないのだから(大体、高い楽器=高価なので)、今のヤマハのG3で充分なのだと主張しています。^^;
by アヨアン・イゴカー (2014-10-06 08:57) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,nice!&コメントありがとうございます。
使う前に刃物を研ぐというのも,切れ味を良くするのと気持ちを落ち着かせる,準備運動の意味があると思います。たいがいの道具は作業の目的に集中すれば,ケガは減ると思います。これは,道具を大事に扱う事とも底通すると思います。
音楽の道具としての楽器も全く同じだと思います。目的にあったものを,大事に,最適なコンディションで使うのでよいのだと思います(アヨアンさん宅とうちのピアノも同じものです)。

by Enrique (2014-10-06 12:52) 

Ujiki.oO

Enrique さん、こんばんは。
おおおお~ 三豊ノギス! かつて大阪で社会人サラリーマン1年生の後に、転職の為に東京に妻とともに引っ越しをした先の企業が、ミツトヨと、今は壊滅状態の当時は威勢の良いダイエーの2社が共同出資したPCB設計子会社でした。 個人的に懐かしいです! 当時は今は亡きダイエーの創始者と松下が喧嘩して(笑)「ダイエーブランドの家電を製造する!」からと、五反田の東京卸売センターのビルの「マルエツ」さんのフロアーの奥に「秘密PCBフィルム原版製造工場」を起こしました。 極秘裏に創設され、極秘裏に消滅しました。(爆笑+涙) 今から20年程昔の話です。 ミツトヨのノギスやゲージ類は・・・・・本当に最高ですっ!! 懐かしいです。 仏教普及の為の書籍を有名ホテルに寄付する資金に今でも充当されておりますかね。(笑)
by Ujiki.oO (2014-10-16 00:09) 

Enrique

Ujiki.oOさん,オリジナルブログでのnice!&コメントありがとうございます。
私の元専攻は電気ですが,かつての学生は機械実習もしましたので,この手の測定器ならミツトヨと刷り込まれています(ロゴが新しくなっています)。電子計測機器ならHP(日本ではYHP)でしたが,こちらは,アポロコンピュータにDEC+コンパックなどが加わって何時の間にかコンピュータメーカーに。元々の電子計測器部門は,アジレント遂にはキーサイトとか聞き慣れない名前にと合併分社を繰り返して巨大化しています。
ちょっと話がずれましたが,「ダイエー・松下戦争」は懐かしいです。価格主導権がメーカーから大口小売りに移る象徴的出来事だったのでしょう。ミツトヨさんがかんでいたとは夢にも知りませんでした。同社のノギス・ゲージ類は定番ですが,良すぎるものを作ると。。。といのもありますね。ダイエーさんは急成長しましたが,現場が余りにもたるんでいた印象です。かつてのダイエーのビジネスを引き継いだのが家電量販店なのでしょうか。USでは家電量販店よりもコストコやウォルマート,ホームデポなどが強いかんじですね。
by Enrique (2014-10-17 06:02) 

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