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5月入り・超チョウ論 [日常]

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連休の合間に5月に入っています。

 
  ツツジに来ているアゲハ。 少し寄ってみます。
 
 
  まだ逃げません。 よほど蜜が沢山出るのでしょうか。
ピクリともせず吸蜜中です。
久々に昼休み時間に散歩をしましたら,ツツジにアゲハが来ています。
蜜が沢山出るのか,近寄っても中々逃げません。昔標準レンズに接写リングを付けてチョウ撮影していた頃の感覚では,本当に慎重に寄っても逃げられて,数回に1回でも撮れれば良いと言った感じだったと思いますが,結構近づいても逃げません。iPhoneが小型で手をのばした分距離が稼げるからだという事に気づきました。昔のフィルムカメラですと,覗きながら近寄るので,チョウは当方の体の気配を感じたのでしょう。自撮り棒を使って他撮りすれば更に距離は稼げそうです。

アゲハと言っても,結構種類がいます。これは最も普通種のナミアゲハ♀です。
けっこうキアゲハと間違われる事が多い種類だと思います。やや黄色っぽいところや,下翅の内側に赤い斑点があるところなど,キアゲハとの共通点も見られます。アゲハチョウ科のチョウは,大雑把には大型で尾状突起がある事が一つ特徴ですが,アオスジアゲハやミカドアゲハの様なタイマイ属には尾状突起が有りませんし,クロアゲハやカラスアゲハなどの部類の黒っぽいアゲハの中のナガサキアゲハにも尾状突起がありません。若冲は,アオスジアゲハに尾状突起を付けていましたが,絵を見る限り,モンキアゲハの白い斑点が,アオスジアゲハの水色の斑点に入れ変わった様です。脳内の画像処理でそうなったのでしょう。

 
  ナミアゲハ♀。もう少し黄色い個体もいる。 キアゲハ♀。もう少し白っぽい個体もいる。
ナミアゲハ♂は緑色系が強いので,色だけでもキアゲハとは間違いにくいのですが,黄色っぽいアゲハといったイメージだと,間違いやすいのでしょう。
♂同士だと,色だけでも,ライムグリーンとレモンの様なまっ黄色とで良く区別はつくのですが,♀同士では黄緑と薄い黄色と色の区別が曖昧になります。黒筋のデザインが異なるので,他の近縁種に比べると判別は比較的容易と思うのですが,一般の方には結構難しいようです。ナミアゲハの黒筋が太く細かく,キアゲハは細く粗い感じです。一発で区別つくのは,上翅つけ根部分の細かく黒いシマシマで,キアゲハだとグラデーションです。私には,全く異なって見えるのですが,その原因を想像してみるとハッと思い当たるところがあります。これを間違う方は,大雑把な形と色で判断してむしろ共通点を見ているのだろうと思います。私の様な元チョウオタは両者の違うところのみ見ているので,全く異なって見えるのだろうと思います。しかも両者♂♀で少しバリエーションがありますから,つごう4種類を見分けていることになります。

細部への関心は,興味の度合いによるのでしょう。
音楽分野でも,邦楽好きな方だとクラシカル音楽は皆同じに聴こえるのだそうです。かくいう私も,邦楽は殆ど同じに聴こえるので,色々聴こうと言う気が起こらないのです。たしかにクラシカル音楽の範疇でもヴィヴァルディの曲は皆同じに聞こえたり,バッハも,モーツァルトも,20世紀の曲ではピアソラなどがそうでしょうが,作曲者の強い個性が,大雑把なものの見方をした際の曲間の違いを見えにくくしているのかも知れません。

チョウの話に戻れば,黄色い小さなチョウはシロウト?の手にかかれば,みんなモンキチョウになってしまいます。
モンキチョウは,モンシロチョウ等よりもかなり活発に飛びますので,シロウトがモンキチョウと言っているのは大概,キチョウだったりします。キチョウは飛び方がモンシロなみにトロいのでよく目につきます。小学生の頃,キチョウの事をモンキチョウだと言い張る子がいて,これはキチョウだよといくら説明しても聞いてくれませんでした。「黒いモンがついているではないか!」と,「キチョウは真っ黄色いチョウだ!」と言い張って聞きません。確かに,キチョウにはモンキチョウよりもむしろ黒いはっきりとしたモンはついていますが,勝手に昆虫学者になってネーミングする子供に面倒くさくなって説得するのを諦めました。彼は本物のモンキチョウを見た事がなかったのでしょう(図鑑で見ても一目瞭然ですが)。信じ込んでしまうと中々抜け出せないものだと,つくづく悟った次第です。人間,見たもののみ信じていると間違う例です。それにしても,そのような子供に限らず,世の多くの人たちが「モンシロチョウ」だと言っている中には,ツマキチョウやらスジグロシロチョウやら,モンキチョウの♀やら,ヘタをするとスジボソヤマキチョウの♀やら,現在ではアゲハチョウ科に分類されるウスバシロチョウまでを含んでいそうです。世の多くの人には白い数センチのチョウはみなモンシロチョウなのです。黄色っぽいアゲハはキアゲハ。ナミアゲハとの相違を気にされる方はむしろ観察眼が細かいと思います。黒っぽいアゲハもクロアゲハ,カラスアゲハ,ミヤマカラス,オナガ,ジャコウ,みんなクロアゲハかカラスアゲハになってしまうかもしれません。

そう言えば,金管楽器はラッパ,木管楽器は笛,私の祖母などはギターとバイオリンの区別も曖昧でしたし,蛾もチョウもチョウチョ。やたら亜種やら地域変異やらまで細かく見るのもどうかと思いますが,ちょうど雑草とか雑木とかで十把一絡げにするあれはイヤです。少なくとも種レベルでは区別してしてやらないと生物に対して失礼な気がします。もちろんアゲハだって春型・夏型で大きさが異なりますし,一尾一尾個体差があります。大きさや色はあまりあてにならないのですが,同種のチョウには見事に柄の共通項があります。

妻は花の種類をまるで知りません。チューリップとバラの区別くらいは辛うじてつく様ですが,やはりすべて綺麗な「お花」と捉えていて,個々の種類までにはあまり興味がない様です。人間にも人種がありますが,それは亜種くらいの相違で,種としては一種類です。名も知らぬ花やチョウだってそれぞれの種を持ちつつましく生活しています。種の見間違えは単なる同定のミステイクであって種の違いは認識しているわけですが,種の異なるものを十把一絡げに扱うというのはやはり生物の多様性に対する興味の薄さなのでしょう。

さらに言えば,チョウを見間違えても生活に支障は来たしませんし,十把一絡げに扱ってもそれは同様でしょう。しかし,我々が何事においても細部への興味関心を失い,新たに導入される法案や政策が生活に直接影響しないからと細部を見ないまま追認していると,そのうち取り返しがつかなくなることだってあるはずです。
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アヨアン・イゴカー

>何事においても細部への興味関心を失い,新たに導入される法案や政策が生活に直接影響しないからと細部を見ないまま追認していると,そのうち取り返しがつかなくなることだってあるはずです。

無関心と言うのは、その対象に対する知識欲、愛情の欠如と同義だと思います。私は、関心はあるけれども、識別できるほど知識がないものは、昆虫、野鳥、植物、粘菌など無数あります。それらを正しく同定できたら、どれほど楽しいだろうと思いますが・・・経済や政治や社会制度なども、愛情を持って関心を持って発言する国民が多くなると、その国の文化水準が高くなります。
病気なども、自分が健康で罹患しないと思っていると関心が薄くなりますが、身体の弱い人は興味を持って情報に接するので、自ずと知識も多くなり、無理や不健康なことを避けるようになります。
政治や経済については、誰もがその中にいて、当事者であるにも拘らず、そうでないかのように、影響力を持ったニュースや宣伝広告が取り扱うことで、他人事、お祭ごとのように低いままの意識でいることになります。
地球上の空気も水も全て、全世界繋がっており、無関係な人間も、動物も植物もいません。
by アヨアン・イゴカー (2018-05-03 13:42) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,もう10年以上前の科学技術白書ですが,日本人の(大人の)科学技術に対する興味関心が先進国中最下位だということが指摘されていました。
そして現在,教育にかける予算もものの見事に先進国中最下位レベルです。前政権の後期でしたが,よりによって科学技術の恩恵で仕事をしている人が,「現政権には景気対策に金を掛けずに子供や教育などと言っている痴れ者がいる」と真顔で言っていました。「痴れ者はあなただろう」とは喧嘩になるので言えませんでしたが。自分で自分の首を締めているのにそれすら気づかない。興味関心のなさとは恐ろしいものです。
8年前,はやぶさが帰還した時の報道ぶりについて記事にしました。人類の歴史的快挙がW杯サッカーの初戦突破や八百長相撲の合間にちょろっと載っていましたので,どれだけ超先進国かと皮肉を書きました。
虫の話など昆虫学者に任せておけばOK(すでにプロの昆虫学者はあまりいないのではないでしょうか)。星の話は天文学者(これまた,実際星を観測するアマチュアです)。
細かい技術など職人にまかせておけばよし。電気でモノが動いているなんてそんなこと知らない。関係ない。
子供は塾か学校に任せておけばよし。
政治は政治家に任せておけばよし。
面倒なことはすべてアウトソーシング。
グルメにダイエットにスポーツ,今が良ければいいんだ
日本ってすごいんだ。
知らないという事を認識していればまだ良いのですが,その認識すら無く,関心が無いことは,一切無の世界になってしまうことが問題です。
確実に衰退に向かっています。

人間何でもわかるものではありません。
見えないものへの想像力や敬意があれば良いのですが,見えないものは無いもの,見えないものは自分には関係ないもの。そして見ようともしないことが問題だと思います。
by Enrique (2018-05-04 06:21) 

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